(有)出水電器 島元のブログ

2001年11月の記事

ミューズの女神たちへ捧げる T1−S

[ オーディオロマン街道 ]   2001年11月27日

FAST発売元として5周年を迎えるにあたり、新製品[T1−S](トランジスター・プリメイン)を発売する事になりました。

かねてより、「FASTを欲しいけど価格が・・・」と言う意見をたくさん頂いていまして、目標をオール・トランジスターでライン入力3系統、出力80W/8(Ω)、価格300,000円と定め、製品の開発に取り組み、この度[T1−S]を完成させる事が出来ました。

T1−Sの発売に付きましては
何故そこまで安くする必要があるのか。
FASTも落ちたものだと思われ、イメージダウンになる。

等々、心配して忠告してくれる友人も多くいました。

しかし 「最高の音を手の届く価格で多くのオーディオ・ファンにお届けしたい」をモットーとしている(株)FASTと発売元出水電器としては、T1−S発売をなんとしても実現しようと決意致しました。
手作り製品としてはこの価格帯が限度と思われますが、FASTとしての品質と音質は落とす訳にいきません。
もし、納得のいくアンプが出来なかったら製品化は諦める、と決めた製作者の並々ならぬ努力と工夫で何とかこの課題をクリアーする事が出来ました。

FASTは20数年に渡りコンサート等のミキシング・オペレターとして音響に携わる中でアンプやミキサー、スタジオ用機器、放送用機器等の開発及び製作をして参りました。

FASTのアンプは生の声、生の楽器の音を知り尽くし磨き上げた音であると自負しております。
また、最終的な音決めもプロのミュージシャン、エンジニア、希に見る聴覚の持ち主が一緒に詰めに詰めて決めています。
つまり、どこのメーカーより生の声、生の楽器の音を基準としたアンプと言えます。
これは価格に関係なくFASTのアンプの特質です。

T1−Sはプリメインのイメージを一新するに十分な実力を備えた製品として、自信を持って皆様にお薦め致します。

ギリシャ神話の芸術を司る9人の「ミューズの女神たち」が語源のミュージック。
最高の音で最高の音楽を楽しみたいものです。
その為にも オーディオ機器は、もっと音楽という芸術の再生を目指すべきではないでしょうか。

FASTは9人の[ミューズの女神たち]T1−Sを捧げます。

サウンド・デンの藤本社長も驚いた KEF104の音 Kさん

[ 私が出会った音の達人たち ]   2001年11月27日

大田区内、それもご近所に何名かのFASTユーザーがいらっしゃる。
一番近いのが直線距離8M、道路を挟んだお向かいのKさんだ。
FASTが製品発表した月にC10を買ってい頂いた。
まだ第一回のクラフト・オーディオ賞の金賞受賞(於 第3回真空管オーディオ・フェアー)が発表さる前のことである。

そのKさん、なかなかの辛口評論家である。
出水電器がFASTの発売元になり、製品を練り上げている頃は一向にいい音だとは言わなかった。
曰く「うん〜、帯に短したすきに長しだな」、最初の頃、私はこの人は本当に解っているんだろうかと疑っていた。
色々話すとまんざら解らない様子でもない。ともかく不思議というか変というかなかなか理解できない人、と言うのが当時の印象でした。

Kさんが当店に良く出入りするようになったのは、私がアルテックA5を手に入れた10数年前からだったと思う。
ご自分もオーディオは嫌いじゃないと言い、KEF104を買った時の話などされるようになった。
そしてなかなか思うような音が出せず悩んでいるとも話された。
そうこうする内にクオードのセパレートを購入されたがそれでもまだ不満だという。
ともかく低音が思うようにでないし、もっといい音で鳴るはずなんだと悔しそうに話されていた。

その後出水電器がFASTの発売元となり、第3回真空管オーディオ・フェアに出品したときはボランティア(?)で手伝って貰うまで仲良くなっていたのである。(その後イベントでは必ず手伝っていただいている)
そして、フェアーが終わったらC10を買うと言いだし、私を驚かせた。
C10とクオードで鳴らすKEF104は今までとは違って俄然思いっきり鳴るようになった。
特にその低域たるやこれが本当にあのKEFか?と言うくらい鳴りきった音なのだ。
それからもKさんの悪戦苦闘と努力は続いた。

つい先日の11月23日、あのサウンド・デンの社長ほか数名が広島から関東へ仕事に来られ、出水電器にも寄って頂き、当店CDのクロック交換もしていただいた。(その後、日に日に音が良くなっている)
次の日、一緒に来られた方にKさんの音を聴いてみますか?と言ったら是非と言うことになりみんなでK宅へ。
しかしデンの社長は「KEF104?いい音で鳴っているのを聴いたことがない」と言い全く興味さえ示されない。

皆で食事をしているときKEFが思いの外見事に鳴っていたと言っても、社長は「まさか」と言ったまま。
食事から帰る途中、四畳半でアルテック604を聴いている、I さんの所へ寄ってその音に驚かれ、それならKさんの所もと言われ、Kさんの部屋へ。
その音を聴くやいなや「これはKEFの音じゃない」と言い「こんなの初めて聴いた」と驚かれた社長だった。

[日本中を駆け回り、少々の事では驚かないデンの藤本社長がビックリした]
この事は、今やKさんの誇りとなった。

広島のミンガス

[ オーディオロマン街道 ]   2001年11月9日

広島のミンガス広島のミンガス

11月5日、憧れのミンガスへ。
広島の友人でスーパー・マニアの神戸氏には、ミンガスの演奏を聴く為だけでも広島までくる価値があると言われ続けていたのだった。

サウンド・デンの藤本社長に連れられて、ミンガスのドアーを開けてまず驚いた。
なんと「土と水 IN 萩」のベース奏者、井上先生のお店だったのだ。

いろんな話をする内に第一回目の演奏の時間(午後8時半)がきた。
サックスは前田洋子さんという若い女性奏者。
(上の写真は当日のではありません.。雰囲気を壊さないよう写真は撮りませんでした。)

軽く音出しをして呼吸を合わし、目と目でタイミングをとる。
緊張の一瞬。
ヴオーン!

もう後は夢中で聴いた。
一曲目、二曲目、三曲目、ラスト。
アッという間だった。
素晴らしかった。
感動した。

井上先生はまるでベースに語りかけるように、時に抱きしめるように、頬ずりするように
演奏されていた。
そして、その表情が何とも言えず味があり素晴らしかった。
とくに満面の笑みがまた惚れ惚れするほどいい。

演奏の後、色々お話を伺った。
どれ程音楽(ジャズ)が好きか、ベースが好きか。
例えば、風邪で40度の熱があってもベースが心配で、ガタガタ震えながら店まで来て
除湿器の水を捨て、ベースの状態を確認する事とか。
ベルトのバックルは必ず横にずらして、ベースが傷付かないようにするとか。
マイクを使わず演奏するのはプロでもなかなか難しいと言う事など。
やはりプロは全てが違う。

それと井上先生は子供が大好きで、毎年県内の小学校を回って演奏されているそうである。
その時は必ず何人かの子供にベースを触らせるそうだ。
音が出たときの子供の喜びようは、何物にも代え難いと言われる。
そして、子供から貰ったメダルと言うか花輪と言うかそれを大事に大事にまるで宝物のように丁寧に扱って居られた。
表には「ありがとう」と書いてあり裏には「おじさんたのしいジャズをありがとう。とてもいい音
だったよ」と書いてあった。

こんなお人柄の井上先生だから、あんなに素晴らしいジャズになるんだろう。
このジャズ(音)を聴いた人は間違いなくオーディオに対する考えも変わるに違いない。
今回は何物にも代え難い貴重な体験をさせて頂いた。
お世話になった皆さんに感謝の気持ちで一杯です。

ジャズに酔う
            あき(秋・安芸)の夜更けに
                                       心舞う

【ミンガス】はその演奏を聴くためだけでも、広島まで行く価値が間違いなく有ります。
(TEL 082−244−6060 日曜日定休日)

シーメンス/グランフィルム・バイオノール

[ オーディオロマン街道 ]   2001年11月9日

噂のバイオノールーとご対面!!

11月4日、サウンド・デンにお伺いし、した。
まず、その大きさに圧倒される。縦2M、横2.5M化け物みたいな大きさである。
大型ピーカーを見慣れた私でもビックリしてしまう。
人間の飽くなき情熱というものはこんな物まで作ってしまうのかと感心しきり。

さっそくFAST、C10ⅡとM300Ⅱをつないでみる。
CDはASC音源確認用の「土と水 IN 萩」、何と表現したらいいのだろう、
ともかく色づけのない「素」その物である。
それと大きさは伊達ではない。まさに実寸大の音楽が再生される。

非常に良くできたビンテージ・スピーカーに出会うといつも思うことがある。
工業製品化された現代スピーカーは音楽の大事なエッセンスを失ってしまった
のではないかと感じてしまう。
ビンテージ・スピーカーが上手くなると作り手の音楽に対する情熱、思い入れまで
表現されるように思う。
暖かな、何とも言えない音楽が再生されるのである。

このシーメンス/グランフィルム・バイオノールを探しだし、完全に復元された、
サウンド・デン、藤本社長のオーディオに対する情熱と思い入れに最敬礼!
このスピーカーについて詳しく知りたい人は下記HP【藤本の辛口コラム】をご覧下さい。

オーディオを論ずるなら、まず音楽ありきだと言いたい。
マイクを通さない生の音、音楽(マイクを通しても)は、巷間言われるようなピンポイント
とかステレオ・フォニックとか言う鳴り方とは随分違う。
例えばオン・マイクの場合、本来音像は膨らむはずである。
それを小さくすると言うことは、すでに音を加工している事だと思う。
むしろピンポイントで録音した音楽がどう再生されるかの方が遙かに大事ではないだろうか。

音響技術は音楽という芸術に奉仕する物であって、芸術(音楽)を加工して自慢する
なんて本末転倒も甚だしいのではないだろうか?
いろんな解釈を否定はしないが、音楽と言う芸術を原点とすべきだと思う。

ミュ−ジシャンやミキシング・オペレーター、4万ヘルツまで聞き分ける人達で音決め
をしているFASTとしては尚のこと、それを主張したい。


ページの先頭へ