[ 1年半の開発期間を経て誕生した ALLION Ultimate T-100 ]

本日は、ありがとうございました。居心地が良く、ついつい長居をしてしまいました。
異次元の世界で、思わず引き込まれてしまいました。
「トリプルコンチェルト」の大好きな旋律部分では、思わず鳥肌が立ちました。こんな体験は初めてです。
「冬」の、透明で凍てついた感じもゾクゾクしました。

当日、Tさんからは上記のような感想のメールを頂いた。しかしALLION Ultimate T-100 での再生では、TさんのCD(クラシックの有名なレーベル)からは時々高音が かなりきつく聞こえて,C-100, M-600ではそれが軽減されていたのが気になる。これはどうしても原因を究明しなければならない。

では、なぜ耳の良い村井先生や田中先生の試聴で気がつかなかったのか?この答えは簡単だ。優秀録音として知られる、またはテストCDとして常時使用しているCDではそのようなきつい音はまず無い。

しかし、これだけで説明がつかないのが、C-100、M-600ではそれほどまできつく感じなかった事だ。C-100、M-600との違いは何か?、パワーの差だけとは思えない。むしろ高域に限れば勝っている部分もある。悩みは10日ほど続いた。色々考えてみたら、決定的に違うところ(と思えるところ)は出川式平滑回路に使用しているショットキーダイオードしか思い当たらない。だがそれさえも、設計段階ではA&R社でも十分と言っていたし・・・・・。こうなれば実際に部品を交換して確認する以外にない。

さて、件のショットキーダイオードを交換した後の音である。これが何ともあっさり解決したのだ。当試聴室に来られた他の方が持参されたCDでも同じ事があった。どうやら日本でもてはやされるCDの中には高域のきついCDが多く含まれているらしい。その原因は現状の電源がノイズだらけで、その結果特に高域が失われやすい傾向とあいまって、それを補う形でこのような録音が重宝されるのだろう。これを嘘と思われる方に提案したい。電気屋さんに頼んで、ご自宅の分電盤のブレーカー二次側(コンセント等の負荷側) のFケールを全てツイストしてみて貰いたい。たったこれだけでも驚くほど高域が伸び、低域も変な膨らみもなくなりスッキリと伸びきった低域になるはずだ。つまり、普段いかに高低域が詰まった音を聴いているかと言う事に気づかれると思う。

ついつい講釈が長くなってしまったが、このTさんの”事件”が無ければ ALLION Ultimate T-100も、T-125svも、ここまで高い完成度を誇ることも、ここまで自信を持って販売に望む事も出来なかったと思う。Tさんには心から感謝している。

ともかく私の懸念事項は 解決された。しかしそれ以上に深刻な問題が”コ・ス・ト・アッ・プ”である。製作依頼先からは「私の方は1円単位のコストダウンを一生懸命やっているのに、トランスより高い部品がさらに倍近くになるなんて・・・。島元さん、貴方は商売をする気があるんですか?」、「ハイ、勿論」なんて言えるような状況ではない。「申し訳ないけれど、我が儘を通させて欲しい」としか言いようが無かった。

こうして理想の音を求め、1年半の開発期間を費やしたALLION Ultimate T-100は完全に出来上がった。利益率の事さえのぞけば、私の心は晴れ晴れとしていた。そして私の胸中には次の企画が沸々とわき始めていた。

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