[ 紆余曲折を経てやっと設置されたマイ(?)柱上トランス ]
いつものように担当営業所へマイ柱上トランス設置を申し込んだ。だが、当地では初めての事ということで、説明と打ち合わせにはかなりの時間を必要とした。その後、現地調査も終わり、返事を待っていた。
1週間後に来た返事は想像もしない内容だった。負担金が私が思っていた金額の4~5倍近い金額だったのだ。ビックリしたなんてものではない。まさに青天の霹靂である。最終的な試聴室ならまだしも、ここまで高額な負担は無理な話。これでマイトランスが設置出来ないことになれば、いったい何のためにここまで越してきたのか解らない。それどころかもう一度引っ越ししなければならない。
そこでもう一度営業所へ出向いて事情を説明したところ、この地域は樹木対策(6600Vの高圧線と樹木が、風などで摩擦して発火しない為の対策)で特別なケーブルを使用していて、それが高価で、しかも分岐用端子にいたっては1セットで50万円以上もするというのだ。今まで随分いろんな所で申請したが、こんな話は初めて聞いた。
しかし話してみるものである。営業所も事情を分かってくれたらしく、「社内でもう一度検討してみます」との返事だった。れから 一週間。もう一度現地調査にきた担当者(2人)も、「確かに一般のお客様が負担できる金額では無いですね」と言い、「どうなるかは解りませんが、もう少し時間を下さい」と言って帰って行った。
その後子細に検討を重ねた結果、試聴室の場所が現在のトランスから一番遠く、週末に多くの人が来た時など電圧が不安定になる場合も多いということで、新たにトランスを設置する事になったのだった。 これには当初の20A契約を、最終的に10倍の200A契約に変更していた事も大きな要因だったらしい。
人生万事は扇翁が馬とはこのことだ。最終的に、他の需要が発生しない限り、という条件付きながら専用のトランスは設置された。
なんでも簡単にあきらめずに相談してみるものである。このような紆余曲折を経て、当試聴室はついに夢のマイ柱上トランスを獲得できたのだった。そのころ新製品のアンプ開発も大詰めを迎えていた。