[ Konishi邸のメインシステム ]
オーディオの仕事をしていて『本当に良かったなぁ』、と思うのは第一に人との巡り会い、そしてそれぞれのシステムで聴く『良い音・良い音楽』との出会いに尽きる。Konishiさんとの出会いは今でも鮮明に覚えている。01年11月30日の「ディナウディオのコンター3.0を鳴らすにはT1-SとT1-Xのどちらが良いでしょうか」と言う問い合わせのメールで始まった。
ご存じの通りディナウディオのスピーカーは、駆動力があって立ち上がりの良いアンプでないとその良さを引き出すことは出来ない。その代わり上手くなったときのこのスピーカーときたら、これが音楽の躍動感だ、これが音の切れの良さだと感じさせてくれる。ともかく素晴らしいスピーカーの一つだと思う。このスピーカーに思い入れがある私は直ぐに電話をした。
「このスピーカを鳴らすのでしたらT1-Xがお薦めです」「解りました。それではT1-Xを1台下さい」と、こんなに簡単に決まって良いのだろうかと思うほどの即決だった。その後もT1-S、C10&M300、バイアンプ用のM300、プロトタイプT1-Z(ALLION Ultimate T-100の試作機)、そして200V特別仕様のALLION UltimateT-100、と次々に購入していただいている。私としてはこんな嬉しいことは無いのだが、奥様の目にはきっと《救いがたいビョ-キの人たち》と映っているのではないだろうか。しかもこれだけではない。電源工事もオーディオ専用電源工事、マイトランス設置工事、と2回に渡って施工している。(ALLION納品時の改修を入れれば3回)
ともかく、この方のオーディオへの情熱というか、探求心はとどまることを知らない。仕事の都合で週末しか自宅へ滞在できないKonishiさんは、職場近くの宿舎にもオーディオシステムを所有し、合計5のシステムで音楽を楽しんでおられる。
上の写真は上段左から、メインシステムの、FAST C-10,M-300(バイアンプ)とPCのCDP、和室のALLION T-100とディナウディオFocus140、リビングのT1-Xと マーチンローガン、宿舎のT1-Zを中心としたシステムとリビングのT1-S(出川式電源仕様)中心のシステム(残念ながらこちらの2セットは聴いたことがない)、右下が、おそらくこの地方初のマイトランス。
メインシステムの音についてはステレオ誌2005年初頭の、田中伊佐資先生のコラムでも紹介されている。その驚くべきSN比の良さと、それによる静寂感、奥行き感、楽器、音声の質感の素晴らしさはなかなか言葉で表現できない。また、リビングにおかれている小型のマーチンローガンの音ときたら、これがコンデンサースピカーの音かと驚かされる。それだけではない。以前、和室にセットされていた時のT1-Zで鳴らしたソナスファーベルのミニマは、間違いなく日本有数の音だったと思う。出来ることなら皆さんにも一度聴いて欲しかった。
Konishiさんについての思い出は尽きない。今回は【私が出会った音の達人たち】初の連載。