満天星とはどうだんつつじの事だそうだ。
その名前が付けられた[ロッジ満天星]は蓼科中央高原にある。
オーナーの小林様ご夫妻は大のオーディオファンで、インフィニティー愛好家の中ではかなり知られた人らしい。
その小林さんが気になってしょうがなかったのが、MJ誌やAA誌のFAST紹介記事と広告だった。
聞いたこともない名前だし、どう考えても弱小メーカーとしか思えない。
「雑誌社が提灯持ちをするほどの金も力も無さそうだし・・・・・ん〜、こうなったら自分で試聴
するしかない」と、00年4月14日当店に試聴に来られた。
小林さんはタンノイの音は高域に不満があるとかであまり好きではないそうである。
しかし、「アンプの方は実に興味を掻き立てられる」と言われ、自宅試聴を希望された。
数日後、試聴機が届きセッティングが済んで音出しをしたとたん「貴方、支払いはどうしようか?」と、キッチン
でお仕事をされていた奥様が間髪を入れず言われたそうである。
後の話は早かった。
FASTのアンプを購入された人はどうも音キチの血が騒ぐらしい。
PMCのBB5にされたFさん、
ウイルソン、システム5にされたFさん、
安いコンポーネントからアルテック604にされたIさん、
B&W801を買いそうな気配のSさん
KEFの上位機種を検討中のKさん
海外で500万円かけて特注のスピーカーを作られたKさん、
80人が楽に入れ、生演奏が出来るスタジオを自宅に作ってしまったTさん、
などなど、凄い人たちばかりである。
そして又一人、小林さんだが、どうしてもトップモデルのスピーカー(正確にはもう一つ上があるそうだ)が
欲しくなり、とうとうインフィニティーβに変えてしまわれた。
全てこの半年以内の、しかも私が知る範囲の出来事である。
さてその小林さんの音とテクニックだが、最もに目に付くのは分厚いコーリアンボードを使ったラックである。
振動が音の大敵であることは少しオーディオをやった人なら知っているが、このコーリアンボードは制震に
大きな威力を発揮し、音を艶やかにして奥行きを出してくれる。但しそれも使う人の腕次第で変わるのは
言うまでもない。そして信濃CSE電源、ケーブル等かなり気合いが入っている。
FASTのプリC10II と、カウンターポイントNPA&FASTM300II (低音用)のバイアンプで鳴らす
インフィニティーβがどんな音がするか、実は私もまだ聴いていない。
しかし、前のインフィニティーγの音から察するに、高域はあくまでも繊細に、中域は艶やかに張りのある音で
低域は太く輪郭のはっきりした音だと思われる。
ご本人の言葉を借りれば「素直でワイドレンジ、少しだけ柔らかい音になっているつもり」だそうです。
あと、音の傾向と好みについてはご夫妻の昨年度推薦CDからご想像願いたい。
小林様推薦 サンサーンス動物の謝肉祭 ERATO 0630−18971−2
奥様推薦 マンハイム楽派の黄金時代 WPCS−10549
(準特選) コンチェルトケルン演奏
番外推薦 綾戸智絵 曲集
少しだけロッジ満天星のことを書きたい。
食堂兼談話室に置いてあるオーディオは宿泊客の誰でも聴かせてもらえる。
お気に入りのCD又はレコード持参で行けばなお楽しいだろう。
それに奥様手作りの家庭料理と四季折々の山菜料理やハイキング、スキーなどオーナー手作りのイベントと
ガイドがいっぱいあります。
また、さりげない会話にオーナーご夫妻の人柄やその深さが感じられとても楽しいですよ。
興味がある方はHP ロッジ満天星 をクリックして下さい。
HPにはオーディオのコーナーも新設される予定だそうです。
8月14日追加
先日、ロッジ満天星におじゃましましてきました。
噂に違わずインフィニティβは凄かった。
洗練された高域、分離の良い中域、分割された低域用のスピーカー,全体がとてもきれいにまとまった、
とにかくいい音なのである。
それにウッドの仕上げが実に見事なスピーカーで、見ていて惚れ惚れしてしまう。
オーデイオ・マニアの人なら、1度は聴いて見たいオーディオ・システムである。