Aさんとは次の第5回真空管オーディオフェアーで出会った。
試聴会を終えてブースに帰った私の所へ初老の方が息せき切って駆け寄り『お宅ののアンプを買いたい。このアンプなら私のキングダムも鳴るはずだ。』と言ってその場でご注文を頂き驚いた。
納品にお伺いした時は更に驚いた。
オーディオ歴50年,悠に5千万は注ぎ込んだと言われるだけに、防音の施されたオーディオルームにはキングダムが鎮座し、中央には80センチスーパーウーハーがあり、自作のキャリアも50年近いとの事で、様々なアンプが所狭しと置かれていたのである。最後の道楽とキングダムを買ったは良いがどうしても低音が出ない。アンプを変えても、スーパーウーハーを追加しても、チャンネルデバイダを使いマルチにしても、何をしても思うように鳴らない。このスピーカーはこんな音しか出ないと諦めて9Wの真空管アンプで鳴らされていたが、FASTがカンタベリー15を思いのままに鳴らしているのを聴き、飛び上がるほどの驚きと喜こびで即購入されのだった。
今は80センチスーパーウーハーは部屋の隅に片づけられている。次はオートグラフ命の斉藤さん(MJ 99.6 P8〜13 に掲載。)とアマデウスでの大論争顛末記 II を書きたい。