[ 初めて見た傘雲 ]
小澤征爾がボストン交響楽団の指揮者だったころ、長女(征良:せいら)が少女時代、弟ユキや家族とともに夏を過ごした、ボストン郊外タングルウッドの物語。
読み終わって、こんな爽やかな、ほんのりとした幸福感を感じられる本も珍しい。
決して子供達を飽きさせなかった、父の大親友で同居人「タカベェ」。
料理番の中国人「ドド」。
遊びを考える天才、ジャッキー・チェン似のお手伝い「デビー」。
そして、タングルウッドで唯一の移動手段、オンボロの「赤トラ」。
それらが繰り広げる「日常と冒険」がなんとも楽しい。
それと、大指揮者「小澤征爾」の家庭での顔や、お茶目さが垣間見られるのもファンにはたまらない。
これは読んでもらう以外ない。お勧めです。
私は子供がいませんが、自分の子供のように一緒に過ごした(遊んでもらった)子供が何人かいて、我が家のことを「ネバーランド」と呼んでいた。
その頃のことがオーバーラップして懐かしい。
その子供たちも30歳を過ぎましたが、いまだに昔のままのお付き合いが続いています。