(有)出水電器 島元のブログ

2002年1月の記事

1月6日 産経新聞記事から

[ オーディオロマン街道 ]   2002年1月6日

【日本に元気(4) 世界市場へ 常識覆した「半値住宅」】

またまた同じ話題で恐縮です。
ミサワホームが半値住宅(坪単価25万円)販売に乗り出し、成功を収めているという記事。
「これまでの住宅会社は客の注文を引きだして設備に金をかけさせ、利益を積み上げていくのが営業戦略で、高い住宅を売って『家は資産。高い家こそ価値がある』と言う幻想を作り上げてきた」とあり、そうした業界の「常識」を、客の購買能力からかけ離れた「非常識」であり、牛丼もハンバーガーも、これだけ値下げをしている。品質を落とさなければ、住宅が値下げをしてはいけない理由なんて無い。
と結論している。

拍手を送りたいような記事である。
ひたすら高額(高級ではない)品をまき散らしたあのバブルの結末を見るまでもない。
踊り狂った代表的な業界の銀行、不動産業がどうなったか、見る影もないではないか。
勿論バブルに踊らなかった銀行や不動産会社もあり、非常に健全な会社として立派に残っている。
目の飛び出るような高額オーディオ製品がバブル崩壊の二の舞にならないことを祈るのみである。

あるオーディオ雑誌を見ていたら、20年近くオーディオから遠ざかっていた人が久しぶりに専門誌を見たら「そこには浦島太郎のような世界が待っていました。コレははっきり言ってショックでした・・・・・。
たかが音楽を聴くだけで、不動産のような値段がズラリ! 誰だオーディオをこんなにしたのは?」とあり、その人は20年以上前から持っている製品の、メンテナンスと改良に明け暮れているとの事。

道理にかなう理屈があるはずもない。
これだけの利益がないと維持できないというのは売る側の理屈であり、価格に見合うか見合わないかは、お客様が判断するのが道理であろう。
時代は確実に変化している。
もう「本物しか生き残れない時代」に確実に入っていると思えてならない。
エンドユーザーが満足を得られないものは必ず淘汰されるのが世の摂理ではないだろうか。

「商売はあくまでもお客様の方を向いていなければならない」
と、自らを常に戒めている。

1月4日 産経新聞記事から

[ オーディオロマン街道 ]   2002年1月5日

日本に元気(2) 脱・常識 リサイクル着物で活力】の記事に強く惹かれた。
要約すると次のようになる。

着物業界はブームが去った後利益を上げるためにひたすら高級化を進め、着物は高いと言うイメージを増幅させた。
アンケートで着物を着てみたいと言う人の20人に1人しか実際には購入していないという。
そこで【ブックオフ】(古本を再生して販売しているチエーン店)にヒントを得た【タンス屋】と言うリサイクル着物ショップの起業が成功した秘密について書いてある。

体質の古い業界ではなんの裏付けもないことが常識としてまかり通り、新規参入が規制されたり、流通経路が不透明だったりして市場原理が働かず、それが客離れを生んだ。
本当のビジネス(チャンス)は市場原理、つまり良い品をより安く提供するという客本位の商売に徹するのが一つの法則であると言うのである。
現在は新品の1〜2割という価格が受けて大繁盛し、アメリカ進出まで果たしたという。

発想の転換と挑戦。言い古された格言のようだが、それが新しいチャンスを切り開く。と結論している。

まさにオーディオ業界にピッタリの話ではないだろうか?
めったやたらと高額な製品ばかりが話題になって、オーディオは一部の金持ちの世界というイメージを作ってしまっていないだろうか?
本当に価格に見合う製品を提供しているのだろうか、実に疑わしい。
多くのまじめなオーディオ・ファンは呆れ返り、オーディオに見切りを付けた人も多いと思う。

オーディオ・ファンが一番望んでいるのは技術者の良心に立ち返り、本当にいい音を手の届く価格で多くのマニアに提供する事ではないだろうか? そうしなければオーディオ業界そのものが存続出来なくなってしまうのではないだろうか。
そんな気がしてならない。

ナスペックの Mさん

[ 私が出会った音の達人たち ]   2002年1月5日

2002年最初の音の達人登場は、ナスペックのMさんである。
と言うより、元ヘビームーンのMさんと言った方が大方の人にはわかりやすいだろう。

Mさんとは一昨年夏過ぎにPMCの試聴室でお会いして以来時々会う機会があり、プロフェッショナルと呼ぶにふさわしい知識と経験、それに何とも言えない暖かいお人柄に、いつお会いしてもこちらが楽しくなってしまう。
だから全国にMさんのファン(支持者)が大勢いて、 いまだに色んな相談が寄せられるのも頷ける。
現にあちこちの掲示板でMさんの名前に出会った人は多いのではないだろうか。
また、BB5の試聴の時C10II とM300II を凄く誉めて頂き「このアンプはむしろ倍くらいの価格で売った方が売りやすいと思いますよ」と言われたのがついこの間の事のように思い出される。

ご存じの方も多いと思うが、Mさんは全国で10カ所の地域コミュニティFM放送局の設計施工もされ、また数多くのスタジオ等の設計施工もされているのである。
これだけの実績を持っているMさんの技術というか、永年の経験に基づく勘ときたら本当にビックリしてしまう。
例えばインシュレーター。
Mさんの手に掛かればアッという間に狙った音を出してくれる。傍目にはまるで神業みたいに思えるくらいだ。
私も何度かそんな現場に立ち会った事がある。そんなMさんをあるHPでは「必殺助け人」と呼んでいる。

昨年の暮れ、そのMさん宅へ伺いオーディオシステムの音を聴かせて頂いた。
Mさん曰く「いつも仕事でカチッとした音ばかり聴いているから自分の部屋の音はあくまでも癒し系の音なんです」と言われるとおり、またそのお人柄の通りの本当に優しい、そして静かで品のある音だった。
プリはウエスタン300Bを使用した珍しい逸品、パワーはA級30WのトランジスターでどちらもMさんの自作。

その後、遠くから来られた2人と計4人でささやかな忘年会となり色々お話を伺うことが出来た。
今一番感じることは、お客様が現在のシステムに満足できない時、次から次へ新しい製品を売りつけるやり方はオーディオ業界にとっては、むしろマイナスである。
そうでなく今あるシステムをいかに生かし満足できる音を出すかと言う提案、或いはサービスが求められているのではないだろうか、またそうしていかないとピュアオーディオは益々衰退して行かざるを得ないのではないか。

と言うことでみんなの意見が一致したのだった。

ともかく、オーディオと音楽に素晴らしい見識と思い入れを持っておられるし、またその裏付けとなる経験と実績も類い希なほど持っている方だと思う。
今のオーディオ業界で一番求められているのがMさんみたいな人ではないだろうか?
Mさんみたいな人に何としてもも頑張って欲しいと痛切に願うのは私一人ではないだろう。

次回は今をときめくレコーディング・エンジニアの赤川新一さんのことを書きたい。
(ご本人からは了解を頂いています)


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